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肺がん
肺がんの概要
肺がんは、日本人のがん死因で一位を占めるがんです。進行した場合は治りにくいがんの代表でもあります。罹患率、死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍。
がん死亡者数の部位別統計では、肺がんは男性で第1位、女性で第2位となります。
また、肺がんは、小細胞がんと非小細胞がんの2つの型に大きく分類されます。
- ※非小細胞肺がん
- 肺がんの約80%は非小細胞肺がんです。小細胞肺がんに比べると進行は遅いのですが、抗がん剤が効きにくいのが特徴です。
- ※小細胞肺がん
- 肺がんの約15~20%を占め、進行が早く、発見されたときには多くの人に転移がみられます。リンパ節転移を含め、がんが一方の肺だけにとどまっているものを限局型、それを超えているものを進展型と呼ばれています。非小細胞肺がんと異なり、抗がん剤や放射線治療が比較的効きやすいタイプのがんで、近年は生存率が以前に比べ向上しており、限局型では治癒が期待できます。進展型は、一時的には非常によくなる場合が多いのですが、全体的な予後はまだ難しい状況にあります。
肺がんのリスク要因・予防法
肺がんのリスク要因として、喫煙、受動喫煙、その他、アスベスト、シリカ、砒素(ひそ)、クロム、コールタール、放射線、ディーゼル排ガスなどの職業や一般環境での曝露(ばくろ)、ラドンなどによる室内環境汚染などが言われています。
予防法としては、禁煙や受動喫煙をしないようにすることです。
肺がんの検査方法
肺がんは、健康診断や何らかの症状で胸部レントゲンやCTを行った際に、異常影が認められ、肺がんの検査を行うパターンが一般的です。肺がんの確認を行う検査方法としてか下記のような検査があります。
- *気管支鏡検査
- 痰が出ない場合、あるいは痰で診断ができない場合に、気管支に内視鏡を挿入し、中枢気管支を観察し、生検を行います。検査時間は約20分です。検査中は目覚めており、通常、検査後数時間以内に帰宅できます。
- *穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)
- 病巣まで気管支鏡が届かない場合、又は、採取された検体が診断に十分でない場合、局所麻酔下に肋骨の間から、細い針を肺の病巣に命中させ生検を行います。
- *CTガイド下肺針生検
- CTで目標を定め、針を病巣に命中させ生検を行います。
- *胸膜生検
- 局所麻酔後、肋骨の間から特殊な器具を用いて胸膜を一部採取し、がん細胞がないかどうか検査します。肺の外側に水がたまっている胸水がある場合、同様の手法で注射針を用いて胸水をとって同様に検査します。
- *リンパ節生検
- 首のリンパ節がはれている場合、細胞を針で採取、またはリンパ節から採取した細胞・組織を顕微鏡下でがん細胞の有無を確認します。
肺がんの治療方法
非小細胞がんの場合、通常はI期からIIIA期の一部が手術の対象となりますが、心臓や肺の機能障害がある場合は手術ができないこともあります。小細胞がんの場合、I期などの極めて早期の場合のみが手術の対象となりますが、頻度的に極めて少ないばかりでなく、手術後に抗がん剤による化学療法が必要となります。
- ※非小細胞肺がん
- 非小細胞肺がんの進行度は、I期からIV期に分けられます。このうちI期からIIIA期の一部が手術の対象となりますが、心臓や肺の機能障害がある場合は手術ができないこともあります。非小細胞肺がんで手術不能(IIIB~IV期)な場合には、完治はかなり困難ですが、抗がん剤治療と放射線療法による症状の改善や延命効果が認められています。
- ※小細胞肺がん
- 切除可能な場合は、手術後に、抗がん剤治療で再発防止をはかります。切除不能な場合は、限局型は放射線科学療法、進展型は抗がん剤治療が標準治療とされています。
肺がんの主な抗がん剤と副作用
- ※非小細胞肺がん
- IP療法(イリノテカン+シスプラチン)
- TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)
- DC療法(ドセタキセル+カルボプラチン)
- GP療法(ゲムシタビン+シスプラチン)
- NP療法(ビノレルビン+シスプラチン)など
- <副作用について>
- シスプラチン:嘔吐抑制のために、多くは制吐薬が使われます。骨髄抑制、腎障害などにも注意が必要。
パクリタキセル:重度の過敏症状や骨髄抑制が起こることがあります。
末梢キセル:むくみと骨髄抑制があらわれることがあります。
イリノテカン:激しい下痢と骨髄抑制が、高い頻度でみられます。
- ※小細胞肺がん
- 例
- PI療法(シスプラチン+イリノテカン)
- PE療法(シスプラチン+エトポシド)
- PE/CAV交代療法(PE療法とCAV療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン)を交互に行う)
- CODE療法(シスプラチン+ビンクリスチン+ドキソルビシン+エトポシド)シスプラチン+アムルビシンなどが用いられることがあります。
- <副作用について>
- 骨髄抑制、脱毛、シスプラチンによる腎毒性には常に注意が必要。
ドキソルビシンは、総投与量一定の限度を超えると心臓障害が起こりやすくなる。


