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白血病(急性白血病/慢性白血病)

白血病(急性白血病/慢性白血病)の概要

白血病は、いわゆる血液のがんです。近年は、新しい抗がん剤の開発や、骨髄移植をはじめとする造血幹細胞移植などにより、治る確率が高くなっています。白血病は、顆粒球などの骨髄求系の細胞を起源とする骨髄性白血病とリンパ球系の細胞から発生するリンパ性白血病に大別され、それぞれ治療をしない場合数週間から数カ月以内に死亡する急性とゆっくりと進行し場合によっては年単位で進行する慢性があります。成人では骨髄性が多く、小児ではリンパ性が多くみられます。

※急性白血病(急性骨髄性白血病/急性リンパ性白血病)
急性白血病は、タイプにもよりますが、抗がん剤がよく効き、薬による治癒が期待できるがんの代表です。急性骨髄性白血病は比較的予後がよく、完全寛解した症礼の40%前後は5年以上再発せず、治癒していると考えられます。また、同種造血幹細胞移植を受けた患者では、症例にもよりますが、50%以上は治癒していると考えられます。急性骨髄性白血病の特殊なタイプとして、急性前骨髄球性白血病があります。これは骨髄中にある前骨髄球とよばれる細胞ががん化する病気で、しばしば播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併します。原因となる遺伝子も判明しており、レチノイドの出現で、治療が奏功する種類の白血病となりました。成人の急性リンパ性白血病は治療が難しく予後も急性骨髄性白血病ほどよくありません。
※慢性白血病
慢性白血病は、多くの場合、慢性期では薬でコントロールでき、ふつうの生活が送れます。しかし、慢性期を経た後、急性転化を起こすこともあります。急性転化とは、急性白血病と同じように未熟な白血病細胞が増加することです。とくに慢性骨髄性白血病の場合、これまでの抗がん剤により治療では平均三年で急性転化を起こし、亡くなる例が多くみられました。慢性リンパ性白血病は、日本人にはきわめてまれで完治は困難ですが、急性転化はすることは少ないようです。

白血病(急性白血病/慢性白血病)のリスク要因・予防法

後天的原因として、放射線やベンゼンやトルエンなどの化学物質、アルキル化剤を含む抗がん剤、ウイルスなど。また先天的原因として、完全に解明されたわけではありませんが、遺伝子異常(ファンコニー貧血、ダウン症候群、ブルーム症候群)が原因で発症すると考えられています。遺伝子異常とはいえ、一般的に白血病は遺伝しません。

白血病(急性白血病/慢性白血病)の検査方法

血液検査、骨髄検査が基本です。

白血病(急性白血病/慢性白血病)の治療方法

※急性白血病
治療で中心的な役割を果たすのは、抗がん剤治療です。ただし、全身が極めて悪い場合には、一旦感染症の治療などを優先させてから化学療法を行います。
初回寛解導入療法とは、完全寛解(末梢血液中や骨髄中に白血病細胞がいない状態)を目的とした強力な抗がん剤治療です。副作用や合併症も強く出る可能性があります。骨髄性、リンパ性とも、寛解導入療法を受けた場合の完全寛解率は約70%となっています。しかし、完全寛解の状態になってもまだまだ体内に白血病細胞が残っており、さらに寛解後療法(地固め療法→寛解維持療法、大量化学療法あるいは造血幹細胞移植)を行って、白血病細胞の完全な撲滅をはかり治癒をめざします。また、抗がん剤治療の間は、出血や感染など危険な合併症を引き起こす恐れがあります。そのための支持療法として、抗生物質や、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などが状況に応じて用いられます。また、急性リンパ性白血病は脳や脊髄に白血病細胞が浸潤することがあるため、高い確率で中枢神経浸潤予防治療も行われます。
※慢性白血病
造血幹細胞移植を受けて完治をめざすことが一つの方法です。造血幹細胞移植の前には、大量の抗がん剤治療が行われます。移植以外の方法としては、唯一慢性骨髄性白血病を治す可能性がある飲み薬であるイマチニブによる治療があります。移植と同等の成績が報告されており、とくに移植のできない高齢者に適しています。またインターフェロン療法や、抗がん剤治療も選択肢の一つとなります。慢性リンパ性白血病は、治療をしなくても日常生活に支障がないまま長期生存する人もいます。ただ、まだ根治できる有効な治療法が確立されていないため、治療目標は、症状やQOLの改善と生存期間の延長です。

白血病(急性白血病/慢性白血病)の主な抗がん剤と副作用

※急性白血病
寛解導入療法:IC療法(イダルビシン+シタラビン)またはダウノルビシン+シタラビンの二剤併用など
地固め療法:シタラビン、イダルビシンのほか、ミトキサントロン、アクラルビシン、ビンクリスチンなどの併用など。
急性前骨髄性白血病には、ビタミンA誘導体のレチノイドがよく効きます。単独でも用いられますが、多くの場合、他の抗がん剤(シタラビンやダウノルビシン、イダルビシンなど)と併用されます。
急性リンパ性白血病の寛解導入療法:VP療法(ビンクリスチン+プレドニゾロン)にアントラサイクリン系抗生物質(ダウノルビシンやドキソルビシン)の三剤が基本。
これにL-アスパラギナーゼ、シクロホスファミドが必要に応じて加えられます。
地固め療法:寛解導入療法で使用した薬剤に、シタラビンやメトトレキサートとメルカプトプリン、ビンクリスチン、プレドニゾロン、中枢神経への浸潤予防としては、髄腔内投与で、メトトレキサート、シタラビン、ステロイド剤など。
<副作用について>
急性白血病では、大量の薬剤を使うため、副作用も強くあらわれます。最も重要なのは、骨髄抑制による感染症対策です。白血球が減少するため、感染症にかかって発熱し、肺炎を起こすこともあります。血小板減少による出血、赤血球減少による貧血もみられることが多く、輸血が行われます。その他、口内炎、下痢、嘔吐などの消化器症状、ダウノルビシンでは心不全や脱毛があらわれることがあります。
※慢性白血病
従来、慢性骨髄性白血病の慢性期には、ヒドロキシカルバミドとインターフェロンーαが標準治療。高齢者の第一選択薬としてイマチニブ。慢性期では、治癒を目的として、造血幹細胞移植が行われます。
慢性リンパ性白血病に対しては、日本ではシクロホスファミドの内服が一般的で、これにドキソルビシンやビンクリスチンを併用した強力な抗がん剤治療など。状況によっては、イマチニブも併用。移行期には、フルダラビンが最初に用いられることもある。また、分子標的薬のリツキシマブが使用されることもあります。
<副作用>
イマチニブ:浮腫(むくみ)や胸水などの体液貯留、肝機能障害、骨髄抑制、吐き気など。
ビンクリスチン:便秘、腸閉塞など。
シタラビン:骨髄抑制や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状など。
ドキソルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤:心臓障害など。
フルダラビン:吐き気、嘔吐、発熱など。
リツキシマブ:インフュージョン・リアクションと呼ばれる過敏症状など。
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